九鬼周造『いきの構造』をウェブツールにしました
九鬼周造『いきの構造』をウェブツールにしました。
立体をぐりぐり動かしたり、気になる対象を選んで、構造を見ながら説明を読んだりできます。 PCブラウザだと立体と説明を見比べやすいので、じっくり触るならPCで開くのがおすすめです。
「いき」の構造 — ウェブツールを開く美意識、領域、断面
扱っているのは、原著の第三章「外延的構造」に出てくる、美意識の位置関係です。 次の3つの切り口から、自分で選んで確かめられます。
- 美意識:「いき」「野暮」「上品」など、8つの概念の位置と関係を見る。
- 領域:「雅」「さび」「乙」などが、どの概念のあいだにあるのかを見る。
- 断面:「対自性」「対他性」を切り替え、それぞれの対立関係を見る。
図を読むだけでなく、角度を変えたり、対象を切り替えたりできる。 構造を体感で確認できるし、説明を読みながら触っていると勉強になります。
雅は、上品・地味・渋味のあいだ
「領域」から「雅」を選ぶと、上品・地味・渋味と、底面の中心Oを結ぶ四面体が表示されます。 アイキャッチ画像は、その画面です。
雅とは、上品・地味・渋味のあいだなんですなぁ。
これがなんとも味わい深い。 言葉ひとつで呼んでいたものを、こういう関係として眺められる。
対自性と対他性
断面の「対自性」と「対他性」も、とても味わい深いです。
対自性は、趣味の品質や洗練についての価値判断を見る切り口。 「上品と下品」「いきと野暮」の対立が、ひとつの断面に表れます。
対他性は、他に対する自己主張や、関わりの積極性・消極性を見る切り口。 こちらには「派手と地味」「甘味と渋味」が並び、その区別自体には良し悪しの判断が含まれていません。
趣味の品質をどう評価するかと、他にどう向かうかを、別々の断面で見る。 しかも、その断面を自分で切り替え、立体を回して確認できるのです。

静かに残しておく
美意識、領域、断面という切り口を、自分で操作しながらインタラクティブに確認できる。 こういうサービスは、唯一無二だと思っています。
自分の個人ページに、静かに残しておきます。