ブラウザゲーム「and-time」シリーズをつくってみた
『広告と時間』『世俗と時間』『数と時間』という、3つのブラウザゲームをつくってみました。
まとめて「and-time」シリーズ。スマホでもPCでも、登録やインストールなしに遊べます。
And Time — 3つのゲームを開く広告と時間
最初は、ハイデガーの『存在と時間』から発想を得て、『広告と時間』をつくり始めました。
ゲームでは、次々と現れる架空の広告の「×」を探して閉じます。 閉じてもまた出てくるので、広告で画面を埋められないように、余白を取り戻していく。
続けて閉じるとコンボがつながります。閉じた枚数に応じて、消せる範囲も広がる。 長押しで一斉消去をため、いちど離してからもう一度押すと、まとめて閉じることもできます。 広告の大きさも「×」の位置もまちまちなので、ただ閉じるだけでも、なかなか忙しい。

世俗と時間
『存在と時間』から『広告と時間』。俗っぽいなぁ。 と思って、次につくったのが『世俗と時間』です。
こちらは、浮かんでくる言葉の「○」を押して手放します。 白と黒、言葉と円。下の大きな円を長押しして「ひと息」を蓄え、まとめて手放すこともできます。
「×」で広告を閉じるのと、「○」で言葉を手放すのとでは、同じように画面に余白をつくっていても、ずいぶん印象が違う。

数と時間
この2つ、あまり頭を使うゲームではないな。 それなら少し頭を使うものも、と、思いつきでつくったのが『数と時間』です。
数字と演算記号のついたパネルを順に選び、目標の数をつくります。
たとえば目標が10なら、3 → +2 → +5。
計算は選んだ順に進むので、3 → +2 → ×2 なら (3 + 2) × 2 = 10 になります。
考えているあいだにも、新しいパネルは増える。 短い式で素早く消すか、長くつないで一度にたくさん消すか。 進むと掛け算・割り算、べき乗や平方根・立方根も加わるので、少し頭を使う余地ができました。

自分で名付けた「占有圧エンジン」
『広告と時間』をつくり、2作目を構想する段階で、共通エンジンの構想が生まれました。 自分で「占有圧エンジン」と名付けた、Occupancy Pressure Engine です。
3作に共通するのは、対象が現れ、画面を占有し、操作すると解放され、また増えていく仕組み。 発生のタイミング、対象の面積から計算する占有圧、解放、時間の管理を、純粋なTypeScriptのエンジンにまとめています。 得点やコンボ、計算のルール、描画や音は、それぞれのゲーム側で扱います。
どこを共通の抽象にして、どこを作品固有の具体として残すか。 ゲームごとのルールをつくりながら、共通化する範囲も見直していく。 エンジンとゲーム、両方のバランスを見ながら進めていきました。
結果として、このエンジンをうまく使って、3作を効率よくリリースできました。 ここはちょっと、匠の技ということで。
ブラウザでここまで
描画も、3作ともPixiJSに統一しました。 広告の消え方、言葉を手放したときの変化、数字を選んだときの反応、まとめて解放したときの演出もつくり込んでいます。
動きや演出までつくり込んだPixiJSのゲームは、国内ではあまり見かけない気がする。
まあ、ゲームをつくってみた、ということで。 気になるものから、遊んでみてください。